「人形」
今夜も会える 楽しさに
辛い仕事も 気にならず
昔なつかし アンティーク
磁器人形の 白い肌
瞳見る度 癒される
御所や公卿から 愛された
白肌ぽっちゃり 可愛くて
武将も愛す 子授けと
子の成長を 祈願した
御所人形の 愛らしさ
春は三月 雛祭り
初孫の為 創りしは
雛人形は 木目込みで
祖母の愛情 込められた
成長した娘《こ》 愛しがる
「陶磁器」
茶室に憩う つわものは
何時か天下を 盗ろうぞと
意気込む武士も しばし茶を
そんな茶碗に 詫び寂が
今でも心 癒される
茅葺き家《いえ》の 故郷で
母の手作り 稲荷寿司
蛸唐草は 古伊万里の
大皿盛られ 母の味
先祖伝来 染めの磁器
茶室の壺は 自然釉
口元薄い 平安期
季節の華を 投げ入れる
数百年の 時代付き
歴史の味が 素晴らしい
「刀剣」
誰の物だか 不明だし
どんな時代を 見て来たか
経験したか 判らねど
この刀剣の 地肌には
刀匠の技 冴えわたる
武士の魂 刀剣は
生死を賭ける 物であり
命を託す 切れ味に
刀匠の技 冴えわたり
今でも心 引き付ける
戦国の世の 刀剣は
所持する者の 魂だ
明日の事など 判らねど
故郷村人《くに ひと》の為 命がけ
武将の心 垣間見る