40号記念の「大英博物館」に続き、海外美術館シリーズ第2弾はニューヨークの美の殿堂「メトロポリタン美術館」を取り上げました。縄文土器から明治の金工界の巨匠・柴田是真の作品まで、時代ごとに様々なジャンルの多彩な優品の数々を取り上げ、日本の美術史を通覧しています。奈良時代の作とされる貴重な「蔵王権現立像」をはじめ、鎌倉時代の「天神縁起絵巻」、尾形光琳「八橋図屏風」など、国宝級の作品は必見です。どうぞご堪能ください。巻末にはメトロポリタン美術館による、英文解説も付けました。
清らかな白磁にさわやかな藍色の文様が美しい染付の器。それは中国の元時代に景徳鎮(けいとくちん)で生み出されました。中国では藍色の華やかさから「青花(せいか)」と呼ばれています。景徳鎮はその昔、昌南(Changnan)といい、ヨーロッパではその音がなまってChina(チャイナ)となり、中国という国名を表すとともに、陶磁器の英語名ともなったといわれます。染付の技法は周辺アジアのベトナムや朝鮮、日本にももたらされ、地域色豊かな品物が生み出されました。東京国立博物館で7月から開催される展覧会「染付展」を取り上げ、白と藍のアジアの器を紹介しています。