44号の「龍馬」特集の続編として「岩崎彌太郎」を取り上げました。第一部では、土佐の地下浪人という貧しい生活から這い上がり、「日本の海運王」と呼ばれるに至った彌太郎の不撓不屈の生涯を追いました。第二部では、今春、東京丸の内に復元された「三菱一号館美術館」、二代目彌之助と四代目小彌太の一大コレクションを誇る「静嘉堂文庫美術館」の展覧会情報、三代目久彌が設立した「東洋文庫」の浮世絵作品と久彌の邸宅だった「旧岩崎邸庭園」など、三菱四代が残した壮麗なる文化遺産を紹介しています。
天秤棒一本で全国各地を行商し、江戸時代に一世を風靡した近江商人の歴史とその商業哲学を追いました。古代における近江地方への渡来人の動向や戦国時代の近江出身の武将、蒲生氏郷と石田三成の経済観念にも触れながら、近江商人の商売方法・家訓などを紹介し、さらに近江商人の精神を学んだと思われる岩崎彌太郎の、経営理念や実業家としての高い志について述べました。