◇柿右衛門(かきえもん) |
柿右衛門には濁し手と、白抜きの生地と、二通りに分けられる。白抜きの生地は、手取りが軽く、元禄期を中心に焼かれた上手のものを柿右衛門手と言われる。濁し手には柿右衛門の初期の頃の作品で、米のとぎ汁の味を連想し、柿右衛門様式と呼ばれている。最盛期以外の粗悪なものは伊万里焼とされている。その後、幕末、明治と似通ったものを焼いているので、生地の味を覚えるのを訓練する必要がある。 |
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◇刀(かたな) |
「こんな土壇場に来て…」などという言葉を耳にするが、昔実際にあった刀の試し斬りをする時に死体を乗せる高さ30センチぐらいの土と砂を混ぜ水で練った土台を土壇場という。試し斬りの時は三つ胴ぐらいには当たり前に切ったようだ。罪人などを生きたまま歩かせて、首の根本から反対側の脇腹へと袈裟掛に切ることもあった。ごく最近では、作家三島由紀夫が市ケ谷の自衛隊内にて割腹自殺をしたが、その際に介錯をした人は心の動揺からか斬りそこねて、三度めに首を落としたそうだ。刀の姿は、その時代の戦いにより変貌していく。また価格は大刀、短刀、脇差の順位に分かれるが、これは一般的に良いものが比較的この順位に多いことからきているようだ。具足は重さ20キロ、大小の刀を身につけると30キロぐらいになる。戦国時代は相手を倒して止めを刺すのが一般的な戦い方で、相手を倒す術に柔術鎧組打、真揚流など現在ではあまり聞かれない流派があるが、これがのちの柔道に変っていったものだ。 |
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◇蕪徳利(かぶらとっくり) |
蕪徳利は舟徳利とは違う。用途は小海老を入れ舟積で大阪などへ搬出し、帰りに渋などを入れて持ち帰ったという説がある。行きで儲け帰りに儲けるのを大阪のノコギリ商法というが、それを地でいくような当時の岡山商法だ。 |
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◇唐草(からくさ) |
江戸の昔、武士は命をかけて武士道を修め、職人は身を削る気持ちで制作に励んだ。また一生懸命の中に信仰もあり、生まれてくるやきものには恵比寿、大黒、蛸唐草など縁起をかつぐ図柄が多く見られる。当時の商人や職人が、お客様の気持ちを考えた商品作りをしていたことがよくわかる。染付の唐草等の技法には、輪郭を描いた中に濃みを塗る、一筆で蕨手を描く、線書きで唐草を仕上げるなど大別すると三通りあり、それによって三通りの価格が生まれ、よしあしの識別にもなる。 |
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◇唐津焼(からつやき) |
唐津焼とは、16世紀末(安土桃山時代)の豊臣秀吉によって行われた朝鮮出兵の知己に朝鮮の陶工を数多く連れ帰り佐賀、長崎県などに多くの窯が築かれて唐津焼が始まったとされている。唐津焼は瀬戸焼とともに、日本各地や海外などにも輸出された。唐津焼にもいくつかの種類があり、絵唐津・斑唐津・朝鮮唐津・その他多数ある、絵唐津は木地に文様(草花や動物などのシンプルな図柄)を描きその上に透明釉をかけ焼成する。とても素朴な図柄(草花や動物などのシンプルな図柄)が特徴である。斑唐津は失透性の藁灰釉をかけたもので、全体が乳白色の表面に陶土の中の鉄分や燃料である松灰が付着し、斑点状になるため斑唐津と呼ばれている。朝鮮唐津はまず木地に鉄釉(黒色)をかけ、その上に藁灰釉(白色)を流すそれを焼成すると、黒・白の2色の釉薬が重なった部分に面白い景色ができる、これは思い通りに景色を作り出せないので、その景色を楽しめるのであろう。 |
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◇九谷焼(くたにやき) |
九谷焼は、江戸時代前期から約60年という短い時期に加賀の九谷でつくられたものを古九谷という、これが九谷焼の原点になっていると言われている。しかし古九谷様式と思われる陶片が有田でも出土されており、その生産地の問題は結論が出ていない。それゆえに、古九谷はひとつの様式として考えられており、"古九谷様式”とよばれることもある。 九谷焼には色絵と青手の2種類に大きく別れている。 青手は、手に取ってみると意外と軽く、古九谷は後世の写しも多く、見分けがつきにくいが、絵付けされた周りの生地に虹色のファーレーションが出てくるのが大きな特徴の一つである。この加賀独自の焼物は、黄地模様に緑の大胆で力強いタッチのものである。色絵は、やはり他の磁器に比べても軽く作られている、図柄も洗練されたものが多くシンプルかつ大胆に描かれている。 しかしなぜここまで洗練されて作られていた古九谷は約60年という歳月しか作られなかったのか? それは、古九谷を製作していた加賀の大聖寺藩が財政難になってしまったり、九谷製作にかかわっていた中心人物達の他界や、芸術製に力を入れて作られていた九谷焼は、生産製に欠けていたためコストがかかりすぎてしまったなど多くの衰退理由あったその為九谷焼は短い期間しか作られなかったのであろうと思われる。 |
そんな衰退をしてしまった九谷焼も江戸後期(17世紀)になると再興九谷として全国各地に広まったといわれている、春日山窯、若杉窯、吉田屋窯、宮本窯、松山窯、九谷本窯など多くの窯がある。 再興九谷といっても高いものになると何百万〜クラスの品物もあると言われている。 |
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◇古鏡(こきょう) |
出土と伝世の鏡の判別方法の一つに、音の違いがある。伝世品は叩くと高音で、出土のものは長い年月のうちに酸化しているため鈍いズーンズーンという音を出す。 |
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◇古銅(こどう) |
赤銅300年とプロの言葉にあるが、通常、古銅とされているのものは赤銅を指すのか。また鋳造方法には鋳型と蝋型があるが、蝋型によい作のものがあり評価も高い。 |
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